
iPhoneのアプリ開発では、実機検証は避けられない
iPhoneアプリの開発段階では、エミュレータなどを使用してテストを行っているケースもあるのではないでしょうか。しかし、通信速度やCPU、メモリ、カメラなどのハードウェア面を考慮したテストを行う場合には、実機での検証が不可欠です。また、アプリだけでなくWebページの検証においても、Safari上での挙動を確認する際に、iPhone実機が必要です。
ここで問題になるのが、iPhoneには複数のモデルやOSが存在している点です。いわゆる「多端末検証」として、さまざまな組み合わせの端末でテストを行う必要が生じます。
一般的には動作保証の範囲に絞ったり、シェア率を参考に、画面サイズやOSのバージョンなどバランスよく組み合わせて検証端末を選定します。しかし、担当者がテストすべきと判断した端末すべてを自社で用意するのは、管理やコストなどを考慮すると現実的ではありません。
そこで利用したいのが、検証用のiPhoneを、レンタルして調達する方法です。
iPhoneをレンタルするメリットとは
検証用のiPhoneをレンタルで用意することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下に3点に分けて紹介します。
メリット1:必要なモデルを必要なタイミングで用意できる
iPhoneのモデルとOSのバージョンの組み合わせは多数ありますが、iPhoneレンタルサービスであれば、必要なときに必要なモデルとOSが用意できる可能性があります。サービスによっては新しいモデルやOSが出た際に即日提供しているものもあり、迅速に実機検証環境が準備できます。逆に、古いOSのバージョンも、レンタルサービスではラインアップに残している場合があります。
実際に検証作業に携わる技術者にとっては、特にメリットを感じられる点といえるでしょう。
メリット2:各種コスト・手間が抑えられる
複数のiPhoneを自社で購入・管理する場合には、さまざまなコストが発生します。購入費用はもちろんのこと、保管場所のコスト、管理する人材のコストもあります。もちろん、充電やOSのアップデートといったメンテナンスの手間も必要になります。
しかし、レンタルiPhoneであれば、必要なときに必要なモデルだけを利用することができます。端末のメンテナンスはサービス提供事業者側で行うため、ユーザー側の手間は低減できます。
メリット3:経費として処理ができる
レンタルiPhoneの利用は、技術者だけでなく経営的なメリットもあります。iPhoneの価格は10万円以上するモデルも多く、しかも企業として購入する場合は、資産として計上(減価償却)する必要があります。
しかし、iPhoneをレンタルする場合には経費計上として処理できるため、経理上の処理軽減が期待できます。
iPhoneのレンタルは実機でもクラウドでも可能
実際にiPhoneをレンタルする際には、「実物をレンタルする」「クラウドでレンタルする」という2通りの方法があります。
実物をレンタルする
iPhoneの実物をレンタルする場合は、法人向けの事業者、もしくは個人向けの事業者を利用します。企業が検証用に利用するのであれば、法人向けのサービスを選択するのが良いでしょう。
一般ユーザー向けのレンタルサービスの場合は、モデルやOSのバージョンに制限があったり、旧機種の取り扱いがない可能性があります。
大手キャリアが展開している法人向けのiPhoneレンタルサービスでは、購入費用の削減、経理作業の簡略化に加え、通信速度や技術的な相談など、キャリアならではサポートも利用できます。もちろん実機のため、レンタル時・返却時に実機を移動(貸出・返却)する手間はかかります。
クラウド上でレンタルする
クラウド上で、iPhoneの実機をレンタルするサービスもあります。これは、データセンターに実機を配置し、利用者が手元のPCやタブレットなどから遠隔操作でiPhoneを利用するものです。実機検証に特化したサービスのため、複数のモデルやOSのバージョンなどが用意されています。
クラウドサービスのため、実機の移動(貸出・返却)が不要な点も特徴です。Webで申し込み後、すぐに利用できるサービスもあるため、使いたいときにすぐに使うことが可能になります。
クラウドでiPhoneをレンタルする場合の注意点
クラウドでiPhoneをレンタルする際は、事前に確認しておくポイントがあります。
1つ目は、ハードウェアについての確認です。どのモデルやOSのバージョンが用意されているのか、必要なモデルが十分に確保されているのか、最新モデルが発売からどのくらいの期間で利用できるのかを、事前に確認しておくことが大切です。
2つ目のポイントはセキュリティです。実機検証を行った際の履歴やデータが残ったままでは、セキュリティの観点から問題があります。特にクラウド型のiPhoneレンタルサービスの場合、事業者側で履歴・データの削除が行われるかを、事前に確認しておく必要があります。
クラウドでiPhoneをレンタルするならRemote TestKitがおすすめ
クラウド型のiPhoneレンタルサービスのひとつに、弊社が提供する「Remote TestKit」があります。
Remote TestKitでは、さまざまなOSのバージョンを用意しています。通常、iPhoneはOSを一度アップデートするとダウングレードできないため、古いOSのモデルを入手することは困難です。しかしRemote TestKitではiOS 5~16までのOSを搭載したモデルを用意しており、多彩な環境での検証が可能です。
もちろんクラウド型のため、実機の移動は不要。iPhoneは24時間365日使えるので、急いで検証作業をしなければならない場面でも有効です。
繰り返しになりますが、クラウド型のiPhoneレンタルサービスを利用することで、さまざまなモデルやOSを自社で調達することなく、かつ実機を移動することなく、アプリ開発における実機検証が可能になります。自社に必要な検証条件に適したレンタルサービスを選択し、検証作業の効率化に繋げてください。