
開発スピードアップのポイント3選~伝わる不具合報告書の作り方やリモート実機検証の方法をご紹介~
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1.開発担当者とテスト担当者間のコミュニケーション課題
スマホアプリ開発やスマホ向けのWebサイト開発では、設計、開発、テストで担当者が分かれ、ロケーションも離れているケースが少なくありません。IT業界はリモートワークの導入に比較的積極的で、開発者の負荷軽減などを考慮した働き方を提供している企業も多々存在します。
設計書やプロジェクト管理ツールなどを用いて、それぞれの進捗を連係しながら開発を進めることが一般的ですが、テストフェーズで問題となるのが、ロケーションが離れ、コミュニケーションが不足することによる非効率性課題です。不具合や仕様の確認事項が発生した場合は、不具合報告書などのドキュメントで連係することが多いのですが、同じ場所で作業していないために、『共有したい内容がうまく伝わらない』という問題が発生します。
特にテスト手法として探索的テストを用いている場合には、状況を伝えるのが難しく、コミュニケーションの齟齬が発生しやすい傾向があります。スクリーンショットをとって不具合を報告しても情報が足りず、不具合の再現や対処が難しいという状況が起こり得ます。
※探索的テスト:事前にテスト手順を定めるのではなく、テスト実施者がテストを行いながらテスト計画、設計などを並行して定めるテスト手法。テスト実施のスピードが速く、コスト面でのメリットがある。一方で、テストの品質がテスト実施者のスキルに依存する点や、操作が複雑な場合に正確な記録ができず、バグの再現が難しいというデメリットもある。
2.不具合報告書作成を早く正確に
なぜ、テスト担当者と設計、開発担当者間の不具合報告において、コミュニケーションの齟齬が起きるのでしょうか?
これは、スマホのテストにおける不具合報告において、共有すべき情報が相当多いことに起因します。操作手順やタイミングなどの情報が、不具合報告書の作成において記載しきれておらず、コミュニケーションロスを生み出しているのです。
探索テストでの不具合が発生した場合は、スクリーンショットだけでは伝えることのできない操作手順や、発生タイミングまでを報告書に記載する必要があります。
それでは、これらの情報をどのように集めて報告書作成に盛り込めば良いのでしょうか。
その一つの解がRemote TestKitを利用した実機テストの実施です。Remote TestKitでは、探索テストにおいても、障害が発生するまでの操作手順やタイミングを自動で記録することができるため、不具合報告書に記載する情報を履歴情報から抽出することが可能です。また、不具合報告をする際に、テスト端末をリモートで共有できる点もコミュニケーションロスを防ぐことに大きく貢献します。
端末ログで探索的テストでの不具合報告も安心
テスト開始時に操作の定まっていない端末テストでも、端末のログ取得機能によって、不具合発見後に手順を再確認することが可能です。
Remote TestKitにて端末レンタルしている様子。操作ログの確認が可能。
端末を共有して細かいタイミングも確認可能
不具合報告書だけでは伝わらない情報も、リモートでテスト端末を共有しながら説明することで情報を補い、共通認識を持つことができます。操作中の画面を共有できるため、発生のタイミングまで共有することが可能です。
Remote TestKitユーザー(右:共有元ユーザー)がURLもしくはQRコードを発行し、他メンバー(日だし:共有先ユーザー)に共有すると、同じ端末を複数人で確認・操作が可能。※共有先ユーザーはRemote TestKitユーザーでなくても操作可能。
例えば、社内、社外の海外や地方在住の開発者にテストを依頼する場合も、不具合報告書の内容認識が合わない問題が生じることは少なくありません。電話での情報共有では伝える情報に限界があるうえ、不具合報告書のために探索的テストのメリットを失うことも本意ではありません。
そのような不具合報告でのコミュニケーションロスを解決するのが、Remote TestKitの操作履歴機能と端末共有機能です。スマホアプリテストにおける操作手順やタイミングといった詳細な情報を、不具合報告書や連係する情報に加えることで、設計、開発、テスト担当者間で認識を共有し、スムーズな仕様の確認、不具合の修正を実現できるのです。
3.リモート実機検証の環境を整える
Remote TestKitは、リモートで接続したスマホ上でアプリやWebサイトなどのテストを行うことができるツールです。ソフトウェア版では、テストの際の操作は全て記録され、後からHTMLファイルとして出力して確認することができます。さらに、各操作時の画像がスクリーンショットで残されているため、後から見た場合でも視覚的に認識可能です。探索的テストの実施にRemote TestKit(ソフトウェア版)を用いることで、不具合の再現に大きな効果を発揮します。
また、Remote TestKit(Web版)ではリモート操作している端末の画面共有を、複数地点から同時に行うことが可能です。スマホアプリやスマホ向けWebサイト開発にて、テストを別のロケーションで行う場合でも、不具合の再現や細かな操作を伝えられるのです。
探索的テストで起きた問題をトレースすることが可能なため、特に意識せずとも、不具合報告書に載せるべき情報は後追いでもまとめられます。
さらには、実際に報告を受ける際にも画面共有により詳細情報を余すことなく伝えてくれます。