
暮らしに寄り添う住宅アプリの品質を、クラウド実機で支える ― ファミリーネット・ジャパンが取り組むDXとRemote TestKitの活用 ―

株式会社ファミリーネット・ジャパン様
- 業種
- サービス
- 導入目的
- 多端末テスト/顧客対応
株式会社ファミリーネット・ジャパン様のご紹介
分譲マンションを中心に、管理会社とオーナー、住居者をつなぐ住まいのDX基盤を提供しているファミリーネット・ジャパン様。同社が展開する「アプリStation(アプリステーション)」は、お知らせ通知や共用施設の予約、チャット機能までを備えた、マンション向けアプリ開発のプラットフォームです。
さらに、IoT連携で家電操作が可能な「rimoco+(リモコプラス)」も展開。暮らしに密接したサービスを展開する中で、ユーザーからの問い合わせ対応や不具合調査は、品質を支える重要なプロセスの一つです。その支援ツールとして導入されているのが、クラウド実機検証サービス「Remote TestKit」です。
1. お客様の環境に合わせて、正確に再現するために
― 現在、Remote TestKitはどのように活用されていますか?
原田様:お客様から「この端末でチャット機能が動かない」といったお問い合わせをいただいた際、Remote TestKitで同じ端末を呼び出して検証しています。
Androidの場合、通知設定の場所や画面構成が端末ごとに異なるため、実機で確認しなければわからないケースが多いです。
室川様:たとえば「通知設定ができない」といった申告が寄せられる場合、まずRemote TestKit上で、どの端末でどのような事象が発生しているのかを確認します。iPhoneは端末間での差異が少ない一方、Androidは機種ごとの差が大きいため、実機での検証が欠かせません。正確な回答を行うためには、それぞれの端末で検証することが重要だと考えています。
原田様:問い合わせ対応以外にも、営業活動で活用しています。お客様にアプリStationのデモを行う際、Remote TestKitで端末をレンタルし、デモアプリをインストールした画面をPCで共有してご覧いただいています。手元の社内検証端末を利用すると、他社様の開発中アプリが見えてしまう懸念がありますが、Remote TestKitならその心配がありません。また、営業資料や操作方法の案内資料、Webページに掲載するアプリのイメージ画像も、Remote TestKitで高画質キャプチャに取得できるため、非常に重宝しています。
2.同じ環境で試せるから納得のいく回答ができる
― 導入前の検証や対応では、どのような課題がありましたか?
原田様:以前は、問い合わせがあったときに同じ端末を持っていない場合は再現ができず、「恐らく不具合の要因はここではないか」と推測で対応せざるを得ないことがありました。特に、IoTアプリのrimoco+では、不具合がスマートフォン側に起因するのか、ネットワーク環境なのか、あるいはお客様の操作ミスによるものなのか、原因の切り分けが難しい状況でした。 同じ端末やOSの環境を整えること自体が難しく、「おそらく、端末起因かと思われます」といった曖昧な表現で回答せざるを得ないこともありました。
Remote TestKitを導入後は事象を正確に再現できるようになり、確証を持って回答できるるようになりました。回答の精度が大きく向上し、非常に助かっています。
室川様:在宅勤務の社員が多い中、自宅からでも問い合わせを受けてすぐに確認できるのは大きなメリットです。今ではRemote TestKitがなければ業務が成り立たないと感じています。
3. エンドユーザーの多様性に寄り添うために
― アプリを利用する方の年齢層も幅広いと伺いました。
原田様:そうですね。特にrimoco+はマンションにあらかじめ備え付けられているため、マンションを購入された方全員が使うアプリです。スマートフォンやアプリ操作に不慣れな方も多くいらっしゃいます。その中で「不具合なのか操作ミスなのか」を丁寧に見極める必要があります。Remote TestKitで再現し、「こちらでは再現できませんでしたが、この操作が影響している可能性があります」とご説明することで、お客様にも納得いただきやすくなりました。
室川様:エンドユーザー様にとっては「問題なく動くのが当たり前」です。まずはお問い合わせに迅速かつ正確に回答することで、求められる品質に応えられていると感じています。
4. 実機を“持っていなくてもすぐ検証できる”体制に
― 検証用端末の管理や確保について、Remote TestKit導入前はどうされていましたか?
原田様:以前は社内に数台の端末を常備し、必要な機種がない場合には購入していました。iPhoneは毎年新機種を揃え、Androidはシェアの高い機種や純正OS搭載モデルを中心に管理していました。 ただしAndroidは機種やOSのバリエーションが膨大で、全てを揃えるのは現実的に困難です。たとえば、「古いOSで検証したい」と思ったとしても、すぐに入手するのは難しいです。Remote TestKitなら条件に合った端末もすぐに呼び出せるので、負担が大幅に軽減されました。
室川様:Remote TestKitでは、やはり品番までぴったり合う端末が用意されているのがありがたいですね。 最近もiPadに関する問い合わせがありましたが、社内には実機がほとんどなかったため、Remote TestKitで検証を行い、スムーズに問題を切り分けられました。
5. 開発・改善サイクルの中でも不可欠な存在に
― アプリに対する要望や改善提案のサイクルはどのようなサイクルで取り組まれていますか?
原田様:アプリStationは細かい機能を含めると月に1回はリリースしています。開発は一部を外部に委託し受け入れテストは社内で実施しています。
大規模なリリース時には、できるだけ多くの端末で検証する必要があるため、Remote TestKitで端末を切り替えながら操作感や表示崩れの有無をチェックしています。
6. 住宅DXの基盤として、広がるアプリの役割
― 今後の展望や目指す方向があれば教えてください。
原田様:アプリStationは当初の想定以上に多様な形で利用されています。元々、マンション向けに開発されましたが、現在では戸建て住宅の居住者やスマホの操作が難しいシニア層の方々にも広がり、さまざまなシーンで活用されています。AIチャットやお知らせ機能、ビデオ通話、予約システムなど、生活に必要な機能をまとめて提供できるプラットフォームになっています。
さらに、居住履歴やお問い合わせ歴等が蓄積されるため、オーナー様が変わっても情報が引き継がれます。管理会社様の業務効率化だけでなく、情報基盤が整ってログも活用できる。今後は、DXの基盤としてさらに活用が進むことを期待しています。
室川様:アプリが多様なシーンで活用され、DXの基盤へと発展していくためには、実際にご利用いただくお客様にとって「身近で便利な存在」と感じてもらうことが欠かせません。紙で行っていた業務をアプリに移行する過程では、「今ある機能をどう使っていただくか」「便利さをどう伝えていくか」を常に考えています。こうした積み重ねが、未来のアプリStationにつながると考えています。
原田様:私たちのチームのビジョンは、「お客様を深く理解することから始める」ことです。今後も利用実態を把握し、適切なご提案につなげることで、継続的にサポートさせていただきたいと考えています。
住まいに関わるサービスは、毎日の暮らしに密接に関わるからこそ、誰もが安心して使えることが求められます。ファミリーネット・ジャパン様の取り組みは、こうした“あたりまえの品質”を、技術と工夫で実現し続けています。
Remote TestKitはその一端を担う存在として、これからも現場を縁の下で、着実に支えていきます。
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